アレルギー性鼻炎について
アレルギー性鼻炎は、ホコリやダニが原因の通年性アレルギー鼻炎と、スギ花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎に大別されます。また、アレルギー鼻炎の方でも、花粉の飛散期に症状がさらに悪化するケースがあります。
花粉症
花粉症はアレルギー性鼻炎の中で、特に花粉が原因となって、くしゃみや鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどを引き起こす病気です。
花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが一般的ですが、のどのかゆみ、のどの痛み、咳、皮膚のかゆみ等が出ることもあり、症状がひどい方は、頭痛、体のだるさも出ることもあります。
また、花粉もスギばかりでなく、4月~5月のヒノキ、初夏のイネ科、秋のブタクサなどがあり、花粉だけで1年中症状が出る方もいらっしゃいます。
特に、スギ花粉症は、お薬をスギ花粉の飛散が開始する概ね1週間ほど前から飲み始める初期療法を行うことで、シーズン中の症状を軽減することができます。
さらに、スギ花粉症やダニアレルギーに対しては、根治を目指せる治療法として舌下免疫療法が注目されています。
舌下免疫療法について
スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎でお悩みの患者さん中には、既にテレビやネットニュースなどで舌下免疫療法という言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか。
日本では国民の4人に1人がアレルギー鼻炎であると言われており、アレルギー免疫療法(減感作療法)の一つとして期待されるのが舌下免疫療法です。
舌下免疫療法は、アレルゲンの錠剤をご自身で服用する(1日1回、舌の下に錠剤を含むだけです)ことができるため、ご自宅で手軽に行うことができます。
舌下免疫療法を検討する上では、アレルギーの発症原因をはっきりさせなければなりませんので、まずは検査をお受けください。
ゾレアについて
当院では、重症・最重症のスギ花粉症の患者さんに対し、ゾレア(抗IgE抗体オマリズマブ)を皮下注射する治療も行っております。
花粉症は、アレルギー反応による炎症によって、鼻水・鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が起こりますが、ゾレアは花粉症の症状を引き起こすIgE抗体に作用することによって、アレルギー症状を抑える薬です。
尚、ゾレアによる治療を行うためにはいくつかの条件があり、投与前に既存治療薬での治療と血液検査(アレルギーの検査)が必要になります。また、治療費は高額になりますのでまずは一度ご相談にお越しください。
アレルギー検査について
View39
当院では採血検査によって39項目のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を調べる検査を行っています。
この検査をView39といいます。検査可能な項目は以下の通りです。

その他、非特異的IgE抗体検査(アレルギーの強さや程度の目安になる検査)や血中好酸球の割合を測定します。特に近年では好酸球が関与する鼻炎や副鼻腔炎が多く、鼻症状の診断に有用です。
また、当院ではView39のほかに、採血を行わずに指先から少量の血液でアレルゲンを特定するドロップスクリーンという検査法を行っています。採血が難しいお子様などで有効な検査法です。ただ、先述した非特異的IgE抗体検査や血中好酸球の測定はできず、採血が可能な方は採血がおすすめです。
ドロップスクリーン
ドロップスクリーンは注射器を使わず、指先に針を刺し少量の血液(20μℓ)でアレルゲンを特定する検査法です。メリットは採血の難しいお子様でも可能です。ただ、痛みは伴います。当院では2歳のお子様から検査を行うことができます。検査可能なアレルゲンは以下の通りです。
検査をご希望の方は一度当院を受診していただき予約をお願いいたします。結果は検査後30分で出ますので検査当日に結果を知ることができます。
