鼻の病気について
鼻は、外鼻・鼻腔・副鼻腔で構成されている部位で、臭いをかぐ嗅覚器官としての役割があるほか、肺に空気を吸入していく通り道にもなっています。
呼吸は口でもできますが、鼻腔を通っていく場合は、温度や湿度もきちんと調整された空気が肺に届くようになります。加えて、口呼吸だと直に冷気や細菌などが肺に入っていきますが、鼻呼吸では、鼻毛がフィルターの役割などをするので、ほこりやちり、ウイルスなどの病原体もできるだけ除去していきます。
鼻の病気は、嗅覚の異常や鼻呼吸がうまくできないという場合も何らかの疾患を発症していることが考えられます。
主な鼻の病気の症状
- 鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみが出る
- 鼻出血
- 臭いを感じない など
よく見られる鼻の病気
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、ホコリやダニが原因の通年性アレルギー鼻炎と、スギ花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎に大別されるます。また、アレルギー鼻炎の方でも、花粉の飛散期に症状がさらに悪化するケースがあります。
アレルギー性の病気について副鼻腔炎
副鼻腔炎と聞くと馴染みのない方もいらっしゃるかと思いますが、いわゆる蓄膿症のことです。
副鼻腔炎は、副鼻腔がウイルスや細菌等の病原体に感染、もしくはアレルギーなどによって炎症が生じている状態を言い、急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症などに分類されます。
風邪をひいた後の細菌やウイルス、真菌(カビ)、アレルギー性鼻炎(ホコリやダニ、花粉などが原因)、虫歯など副鼻腔炎の原因は様々ですので、それぞれの原因にあった治療が必要です。
鼻出血
鼻出血の原因の8割程度は、鼻粘膜で生じたとされる物理的な刺激が原因と言われています。例としては、くしゃみを連発する、鼻を指でほじる、鼻を強くかむとなどで、気候が乾燥することで鼻粘膜も乾燥して、出血しやすくなるということがあります。このような場合、小鼻を指で圧迫し、安静にしていれば15分程度で出血が治まることが多いです。
鼻中隔弯曲症
鼻の穴は、鼻中隔という壁の仕切りによって左右に分けられています。この壁というのは誰しもが真っすぐになっているということはなく、軽度の場合も含めれば、成人の8割以上の方は弯曲していると言われています。治療が必要となるのは、弯曲によって、どちらかの鼻腔に鼻づまりなどの自覚症状が強く現れるか、鼻炎や副鼻腔炎も併せて起きている場合です。
嗅覚障害
嗅覚障害とは、においの経路のどこかに障害が起こり、においを正常に感じることができなくなる病気です。においがわからないと味もわかりづらくなることもあり、これを風味障害と言います。嗅覚障害の原因は、アレルギー性鼻炎、鼻・副鼻腔炎、感冒(ウイルス)、頭部外傷が多くを占めますが、はっきりとした原因のない特発性嗅覚障害もあります。嗅覚障害には原因に応じた治療が必要です。