睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は「Sleep Apnea Syndrome」の略で「SAS」とも呼ばれ、睡眠中に何回も呼吸が止まり十分な睡眠が取れない病気です。
主な症状として、大きないびきや起床時の頭痛、夜間の呼吸停止、日中強い眠気に襲われるなどの症状が現れ、放置しておくと高血圧や心臓循環障害、脳循環障害、突然死の一因になるとも言われております。
また、生活面でも、眠気などのために日中仕事に支障をきたしたり、居眠りによる運転事故の発生率を高めたりするなど、自身だけでなく周りにも深刻な影響を及ぼします。

睡眠時無呼吸症候群はお子さんでも起こる病気で、お子さんでは大人と違い成長障害や集中力の低下、夜尿症の原因になることもあります。

鼻とのどの専門家である耳鼻咽喉科では、正確な検査と適切な治療を受けることができますので、日中の眠気でお悩みの方や、ご家族などからいびきを指摘されたことのある方は、ぜひお早目に受診されることをお勧めいたします。

睡眠時無呼吸症候群の
検査と治療

睡眠時無呼吸症候群の正しい診断をつけるために、医師による問診、および睡眠時無呼吸検査装置(簡易検査キット)による検査を行います。問診では、睡眠中のこと(熟睡感の有無など)、日中の自覚症状(眠気など)、病気歴、生活習慣などについて聞きます。続いて、のどや鼻を診察します。

簡易検査キットによる検査は、就寝時間に器機を装着し、いつも通り一晩寝ていただくだけで、睡眠中の呼吸気流、血液中の酸素飽和度、呼吸運動、体位、脈拍などが記録され、入院の必要がありませんので、お忙しい方でも気軽に受けられます。ただ、結果によっては他院でさらなる検査(終夜ポリグラフィー検査)を受けていただく必要があります。

睡眠時無呼吸症候群の治療法としては、症状を緩和させる「CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)」の他、マウスピース、根本的に原因を取り除く「手術による治療」の3つがあります。また、こうした治療に加えて、「生活習慣の改善」が必要になるのは言うまでもありません。肥満気味の方ですと、首やのどまわりの脂肪が気道を狭くしている可能性がありますので、ダイエットも治療の一環になります。

特にCPAP療法とは、効果が高いうえ副作用も少ないので、睡眠時無呼吸症候群の治療法として欧米や日本国内で広く普及しています。睡眠時に特殊な専用マスクを鼻に取り付け、ここから気道に向けて圧力をかけた空気を送り込み、気道を常に陽圧に保つことにより気道の閉塞を防ぐ治療法で、高血圧などの合併症の予防・改善効果が立証されているため、1998年より、中等症以上の患者さんについては保険適用が認められています。

尚、大学病院や市中の総合病院などでCPAP管理を受けられている患者さんで、待ち時間が長くご不便を感じていたり、通院そのものがお手間になっているとの感じている方は、当院の近隣にお住まいの方でしたら、CPAP管理を移すこと(CPAP管理医院を当院に変更)もご検討ください。